数学で解決する婚活必勝法

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理想が高すぎる?

私が婚活で迷走していた時は、 “理想が高過ぎて結婚できないんだよ”ということを友人や会社の同僚からよく言われました。自分ではそんなことないと思っているのですが、そういう人に限って理想のパートナーと結婚しているように見えて仕方ありませんでした。

子供のころから将来なりたい職業やお受験と一流企業への就職など、挫折と成功を繰り返しながら、どこか妥協して入学した学校や会社。しかし、結婚相手も妥協をしなければならない”というのはなかなか難しいものがあるでしょう。

自分の相手に求める条件について理想が高いとは思っていないのに、周りからは”理想が高い”と言われ、現実に婚活難民になったことがあたかも周りの人が言っていたことが正しいかったかのようです。

しかしながら、理想の相手ではないにしても限られた時間の中で最適な人を結婚相手として選択したいものです。そこで、数学的な解決をした事例としては「海辺の美女問題」や「美人秘書採用問題」で有名な「最適停止問題」があります。

恋人探しや婚活をする時に”どのレベルで妥協するのが正解かを数学で解決する婚活必勝法”です。(何が何でも妥協したくない人には敗者の方法ですが)

「最適停止問題」とは何か

この「最適停止問題」、ざっくり説明すると「n個の数字を1つずつ見ていって、1回見た数字は選択しない限りその場で破棄されるとすると、最も大きい数字を選ぶ(あるいは期待値を最大化する)ためには、どういった戦略をとればいいのか(最小化問題もあり)」という問題です。(日本オペレーション・リサーチ学会のOR辞典から引用)

要するに順番にある人とお見合いをして、お断りしたお見合い相手とは二度と会えないことを前提して、最も理想に近い人を選ぶにはどうしたらよいか?ということです。

「海辺の美女問題」とは何か

この「最適停止問題」は、「海辺の美女問題」として有名なようです。すなわち「海辺にいるn人の美女(何かしらの基準で順位付けができる)を順番に見ていって、一度素通りした女の子には後から声はかけられない。そんなケースで、最初から見て何人目で何番目に魅力的な女性をナンパしてデートに誘う戦略をとれば、1番とは言わないでもそれなりにランクが高い女性を選べるか(順位期待値の最小化)」という問題です。

「美人秘書選択問題」も似たようなもので、n人の秘書候補の面接を行うとき、最もランクが高いと期待できる秘書を採用するには?という話です。もちろん、美男子でも構いませんが、この研究をしたのが男性数学者だと思うと、どんなに頭脳明晰でも男が必死に考えることは同じだなあと安心するばかりです。

この問題は数学の世界ではそれなりに有名な話らしいのですが、私も何度かメディアや書籍などで読んだことがあります。数学的には、今見ている女性の順番をi人目とおく(1≦i≦n-1)。そのとき、1~i人目までの第i人目の女性の相対順位が、ある数列siの値以下ならば声をかける……というもの(?ちんぷんかんぷん?)ですが、法学部出身の私がこれ以上、皆さんに正確に説明するのは非常に困難ですのでご容赦いただき、数学の専門家の結論だけを引用してご紹介します。

生涯出会う女性の1/3くらいに出会った時点から相対順位がベストの女性を選ぶのが簡易な最適戦略とされています。例えば、5人の美女にナンパできとき、1人目は見るだけ、次の2人(3人目まで)がそれまでの中で最高ならナンパ、さらに次の1人(4人目まで)はそれまでの中の2位以内ならナンパ、最後の1人(5人目)は選ばざるをえない…となります。こうすると順位期待値は2.05番目、つまり平均2番目くらいの美女とデートすることになります。5人のうち2番目となると「大したことがない」と感じますが、nを無限にしてナンパしてもこの順位期待値は3.86950、つまりどんなに美女の数が多くてもこの戦略で平均3~4番目の美女とデートすることになるということです。(参考書籍より引用)上記の決め方をするだけで、1番ではないにしても、平均3~4番目ぐらいの美女とデートできるのですから悪くない期待値です。

私が婚約破談になって落ち込んでいたときに「女は星の数ほどいる」とか、米国人の友人は”There are always many fishes in the sea”と慰めてくれましたが、この発想では婚活難民一択です!

婚活ではどういう戦略をとるべき?

「海辺の美女問題」で最適戦略が出てきたので、実際にお見合いをするときどのような戦略を採るべきでしょうか。

あなたはお金が腐るほどあるか、無茶苦茶かっこいい(もしくは美人)かということで声をかければ、どんな人でもお見合いで交際できるとします。(この前提が自分にはないから無意味な話だ!なんて思わないでください。)

IBJの会員にはたくさんの美女(もしくはイケメン)がいるとします(実際、います!)。数学的にはN人いるということです。その人すべてに好みの順位をつけられるとします。つまり、1位~N位まで順位をつけられるということです。

あなたは一人ずつお見合いをしますが、一度交際を承諾してしまうともう他の人には声をかけられません。さらに、一度、交際のお断りを出した人にはもう声をかけられません。ある人とお見合いをして「この人がいいな」と思っても、もしかしたら次にお見合いをする人のほうがいいかもしれません。いやいや「この人よりもいい人がいるはず!」と思っていても、まったくいないかもしれません。

「海辺の美女問題」を適用して、どのような戦略でお見合いで交際相手を決めるのがよいか?

20人とお見合いするとしましょう。つまり、数学的にはN=20の場合です。

1)最初の5人はスルー。
2)次の5人については、それまでで最高だったら交際する。
3)次の3人については、それまでで最高or2位なら交際する。
4)次の2人については、それまでで3位以内なら交際する。
5)16番目の人は、それまでで4位以内なら交際する。
6)17番目の人は、それまでで5位以内なら交際する。
7)18番目の人は、それまでで7位以内なら交際する。
8)19番目の人は、それまでで10位以内なら交際する。
9)最後まで


このようなプロセスを経て決めた相手の期待値は3.00173…位の人、つまり、1番ではないにしても、上から3番目ぐらいの人と交際できることになります。

自分の年齢プラスマイナス5歳で対象モデルは首都圏在住平均初婚年齢ほどの男女すると、具体的な計算方法は省略して、日常生活圏で日常的に接する恋愛対象異性は約21.26人と推定されるそうです。ある統計に基づく推定ですので、合コンやパーティに積極的に参加しない限り、日常生活圏という意味では首都圏平均21.26人というのも感覚的にそこまでずれていないのではないでしょうか。

したがって、首都圏の日常生活圏におけるNの値は、21人です。

結婚相談所における戦略

では、One by Oneの結婚相談所のNの値は、何人でしょうか。会員数は男女合わせて約86,000人ですが、当然、全員とお見合いできるわけではありません。皆さんのNの値を自分で設定してください。

多くの人とお見合いを重ねるより、限られた時間で”Nの値を決めて”「海辺の美女問題」の必勝法で3番目ぐらいに理想的なパートナーを見つけましょう。

結局のところ、簡単に言ってしまうと

上記の戦略なんて採用できない!っていうお気持ちはわかります。仮にこれから上記の戦略を真似てみようとすると、今までお見合いした異性の3倍くらいの人数と同数までお見合いしてみてください。今までお見合いした人よりも少しでもいい人が見つかったら即交際なり結婚なりを申し込むのが最適解だと言えそうです。ただし、ベストパートナーに出会えたとしても、あなたの告白が成功するかどうかはわかりませんが。

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この記事を書いた人

現在も上場企業の広告代理店グループにて日々後進を指導しながら、アドバイザーとして結婚相談所ワンバイワンの運営に参画。会員サポートにも携わっています。自身もIBJ会員として婚活を行い、55歳で歯科医師の女性と成婚。

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